実体験から学ぶ!胆汁性胆管炎(PBC)の進行を見極める画像診断の重要性

闘病記録

この記事では、筆者が原発性胆汁性胆管炎(PBC)と診断され、病気の進行度を確認するために行ってきた画像診断について詳しく解説しています。

PBCは慢性的に肝臓にダメージを与える病気であり、早期発見と進行状況の把握が病気の管理には欠かせません。

そのために、私も定期的にエコー検査、CT、MRIといったさまざまな画像診断を受けてきました。

これらの検査は、肝臓の内部状態や胆管の異常を視覚的に確認する手段として非常に有効であり、診断や治療方針の決定に大きな役割を果たしています。

この記事を読むことで、PBC診断における画像診断の意義や、検査の流れ、そしてその結果がどのように治療に役立つかを理解できると思います。

同じ病気で検査を控えている方や、PBCの経過に興味がある方にとって有益な情報を提供しますので、ぜひご覧ください。

胆汁性胆管炎とは

胆汁性胆管炎(以下PBC)は、肝臓内の小さな胆管が壊れることで胆汁の流れが滞り、肝臓の機能が低下する慢性の肝疾患です。

これにより、肝臓の細胞が破壊され、肝硬変や肝不全を引き起こすリスクが高まります。

血液検査では、ALPやγ-GTPが高く、抗ミトコンドリア抗体(AMA)が検出されることが特徴です。なにはともあれ、早期発見と早期の治療着手が重要になります。

胆汁性胆管炎の検査とは

胆汁性胆管炎を診断を下したり、病状の確認のために行う検査には、「血液検査」「画像診断」があります。血液検査について、知りたい方は、こちらの記事を読んでください。

画像診断

大学病院で通院で行われた画像診断は、「腹部超音波検査」「肝臓硬度測定」「上部消化管内視鏡検査」「造影MRI」の4つになります。

以下にそれぞれの検査について、「検査頻度」「検査を行う目的」について説明していきます。

腹部超音波検査

腹部超音波検査は、超音波を使って腹部内の臓器(肝臓、胆嚢、腎臓、膵臓、脾臓など)の画像をリアルタイムで表示し、異常を検出するもので、安全で痛みのない検査になります。

肝臓や胆管の病変、腫瘍、結石、炎症などを評価するために広く使用されます。

PBCの患者に腹部超音波検査をする頻度は、概ね6か月に1度になります

PBCの患者に検査する目的

検査する目的には、以下の4つがあります。

肝細胞癌(HCC)の早期発見

PBCは肝硬変肝不全のリスクを伴い、その結果として肝細胞癌(HCC)が発生する可能性があります。肝臓に腫瘍がないことを確認するために実施します。

肝臓の形態および構造の評価

PBCの進行度や肝硬変の有無を確認するために、肝臓の大きさ、形、表面の凹凸、内部の異常構造(結節や腫瘍など)を診ます。

胆管の状態の確認

PBCでは胆管が損傷しているため、肝内外の胆管の拡張や狭窄を確認します。

脾臓および他の腹部臓器の評価

肝硬変が進行すると、脾臓の腫大や腹水の有無が見られることがあります。

これらを確認することで、PBCの進行度をチェックしていきます。

肝臓硬度測定(フィブロスキャン)

肝臓の硬さを測定するために特別な超音波技術を使用します。

機器のプローブを肋骨の間に当て、肝臓に向けて振動波を送り、肝臓の硬度を調べます。

ポンと音がするくらいで、痛みはまったくありません。

しかし、結果を得るのはコツがあるみたいで、私の場合、3回に1回しか結果が得られませんでした。

肝臓硬度測定といった検査を行う頻度は、腹部超音波検査と同じタイミングで行うので、6か月に1度になります。

PBCの患者に行う目的

PBCが進行すると肝線維化が進みます。

肝線維化は肝硬変の前段階であり、肝臓の機能を低下させる要因となります。

肝臓の硬さを測定することで、線維化の進行度を評価します。

上部消化管内視鏡検査

食道、胃、および十二指腸の内側を直接観察するために用いる診断技術です。

内視鏡と呼ばれる細長く柔軟なチューブの先端にカメラと光源が付いており、これを口から挿入して消化管内を観察します。

上部消化管内視鏡検査の検査頻度は、概ね2年に1度のタイミングで行います

PBCの患者に検査を行う目的

PBCが進行すると肝硬変を引き起こし、場合によっては食道静脈瘤胃静脈瘤が形成される可能性があります。

この検査では、食道静脈瘤や消化管の異常を早期に発見することを目的としています。

造影MRI検査

磁気共鳴画像(MRI)を使用して、造影剤を静脈から注射することで、血管や組織の異常をより明確に映し出します。造影MRI検査を行う頻度は、概ね3年に1度でした。

PBCの患者に検査を行う理由

PBCの患者に造影MRIを行う理由には、以下の3つがあります。

肝細胞癌(HCC)の早期発見

PBCでは、肝臓の内部構造や胆管の状態を精密に評価することが重要で、造影剤を使用することで、通常のMRIよりも異常部位が明確に映し出され、肝細胞癌(HCC)の早期発見につながります。

胆管の狭窄や拡張の評価

PBCでは胆管の狭窄や拡張が生じることがあり、造影MRIは、胆管の異常を高解像度で描写できるため、胆汁の流れに影響を与える病変を正確に評価することが可能です。

治療効果のモニタリング

治療前後の肝臓や胆管の状態を比較することで、治療がどれだけ効果を発揮しているかを確認できます。

まとめ

この記事では、原発性胆汁性胆管炎(PBC)の診断および進行確認のために行う画像診断の内容と、その重要性について解説しています。

PBCは肝臓の機能が徐々に低下していく病気なので、適切な診断や管理が欠かせません。

画像診断として、「腹部超音波検査」「肝臓硬度測定(フィブロスキャン)」「上部消化管内視鏡検査」「造影MRI」の各検査について、具体的な目的や頻度、検査結果がどのように治療に役立つかを筆者の体験を交えて紹介しています。

これらの検査によって病状をモニタリングし、治療効果を確認することで、患者の生活の質向上が期待できます。

次回の記事では、「PBCの治療内容とその効果を私の検査結果での説明」を予定しています。

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