この記事では、筆者が経験してきた「原発性胆汁性胆管炎(PBC)」の治療内容とその効果を、自身の検査結果(血液検査、画像診断)に基づいて詳しく解説しています。
PBCは慢性の肝疾患であり、進行すると肝硬変や肝不全に至るリスクがあるため、適切な治療とその効果のモニタリングが非常に重要です。
私も診断を受けてから定期的に治療を続け、血液検査や画像診断による経過観察を行ってきました。診断がついてから、もうかれこれ7年になります。
この記事では、治療を始めた当初の症状から現在の状態に至るまで、具体的な治療方法や薬の効果、体の状態について詳細に紹介しています。
同じ病気で治療に悩む方や、PBC治療の効果が気になる方にとって、実体験に基づく貴重な情報源となるはずです。
PBC治療に関心のある方は、ぜひご覧ください。
胆汁性胆管炎とは
胆汁性胆管炎(PBC)は、肝臓内の小さな胆管が壊れることで胆汁の流れが滞り、肝臓の機能が低下する慢性の肝疾患です。
これにより、肝臓の細胞が破壊され、肝硬変や肝不全を引き起こします。
血液検査でALPやγ-GTPが高く、抗ミトコンドリア抗体(AMA)が検出されることが特徴です。早期発見と治療が重要です。
診断に至るまでの経緯
私の胆汁性胆管炎は、当初胆のうの2cmくらいの大きさのポリープが見つかったことから始まり、3つの病院での精密検査を経て、3か月でやっと胆汁性胆管炎(PBC)という診断がつきました。
診断名がつくまでどのような経緯、そして病院ではどのような検査を行ったか知りたい方は、こちらの記事を読んでください。
治療
治療は、私の場合薬物療法のみでした。
私が処方されていた薬は、以下になります。
薬剤:ウルソデオキシコール酸 (ウルソ)100mg
ウルソは、胆汁性胆管炎(PBC)の治療で使用される薬で、胆汁の流れを改善し、肝臓への負担を軽減する効果があるそうです。
また、肝臓内の小さな胆管の損傷を抑制し、肝臓細胞の保護を促進するため、病気の進行を遅らせる役割も果たしてくれるみたいです。
これにより、肝機能の維持が期待できるそうです。
この薬は、1回2錠、1日3回(朝食後/昼食後/夕食後)で1日6錠でした。しかし、
7年たって、大学病院を卒業して、肝臓の専門病院に転院後は、ウルソの1日のMAX値である1回3錠、1日9錠になりました。
主治医が、ウルソの増やしたのは、高い投与量が肝機能の改善に有効と判断されたためもたいです。
かゆみどめの薬は処方されていない
私の場合、胆汁性胆管炎の特徴のかゆみはでてこなかったので、かゆみや疲労などの症状を緩和するための薬は処方されませんでした。
その他(生活習慣の改善)
先生から言われていたのは、以下の2点です。
- 食事療法: 栄養バランスの取れた食事を心がけ、アルコール摂取を控える。
- 運動: 適度な運動を推奨しますが、患者の状態に応じて調整が必要です。
治療後の効果
定期的な診察と血液検査や画像検査を行い、病状の進行や治療の効果を観ていました。
血液検査内容
PBCの診断やPBCの状況を定期的に確認する検査には、「肝機能」「胆管の状態」「腫瘍マーカー」の3種類を調べ、検査項目としては、以下になります。
- 肝機能:「AST」「ALT」「γ-GTP」
- 胆管の状態:「ALP」「ビリルビン」
- 腫瘍マーカー:「AFP」「PIVKA-2」
PBCを発症した患者に対して行う血液検査の意味、行う理由(目的)について知りたい人は、こちらの記事を読んでください。
血液検査の結果
治療を開始して2年くらいは、禁酒していましたが、最近は、お酒も飲んでいます。
ただ、治療薬ウルソのおかげで、主治医からは、「肝機能は落ち着いている。PBCも進行していないね」と言われてます。
そのため2024年3月より、大学病院から肝臓の専門医を紹介され転院しました。
(注)ALPの検査方法が、2020年4月より、JSCC法からIFCC法に変わりました。そのため基準値も変わっています。
画像診断内容
胆汁性胆管炎(PBC)を発症した患者が、経過観察を行う画像診断には、「腹部超音波検査」「肝臓硬度測定」「上部消化管内視鏡検査」「造影MRI」の4つあります。
それぞれの検査内容、検査頻度、検査の目的を詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでください。
画像診断の結果
画像診断の結果、主治医のコメントは以下になります。
腹部超音波検査(見出し4)
状況:上記の図の通り
主治医コメント:肝臓は、ウィルスが消えたと言ってもC型肝炎も患っていて、胆汁性胆管炎のダブルパンチを受けているので、今後もウルソの治療は継続してください。
肝臓硬度測定(フィブロスキャン)
肝硬度とは、肝臓の線維化の程度を示すスコアの1つで、F0~F4であり、F4が肝硬変の状態になります
状況:F1相当、F1は、F1ステージの線維化は、肝臓の線維化が始まっているが、まだ軽度の段階です。主治医曰く「まだ柔らかいよ」
主治医コメント:この段階では、肝臓の機能には大きな影響がないけれど、今後も治療の継続、生活習慣の改善によって線維化の進行を抑制していきましょう
上部消化管内視鏡検査
2019/7/24と2021/8/04の2回行われており、2回とも以下の診断になっていて、現状では問題ない状況です。
- 食道:静脈溜なし
- 胃 :粘膜の萎縮あり。静脈溜なし
- 十二指腸:下行脚まで挿入。異常なし
造影MRI検査
2017/3/27、2021/01/27の2回行われており、2回とも以下の診断になっていて、現状では問題ない状況です。
まとめ
この記事は、筆者が経験した胆汁性胆管炎(PBC)の治療とその効果について、具体的な検査結果や主治医のコメントを交えながら紹介しています。
治療薬ウルソデオキシコール酸の継続的な服用により、筆者の肝機能は安定し、なんとか肝硬変の進行も抑えられている状況です。
今後も主治医の意見に従い、治療と生活習慣の改善を続けることで、肝臓の健康を維持していきたいと思います。
そして、同じ病気で治療に悩む方にとって、実体験に基づく貴重な情報が参考になれば幸いです。