【実体験で語る】膝の腫れから乾癬性関節炎診断までの道のり

闘病記録

2000年ごろ、私は右膝が腫れあがるという症状に見舞われました。

原因がわからないまま、2005年ころには、日常生活は徐々に困難になり、歩くたびに感じる違和感と不安が募る日々でした。

2005年になって、最初に受診した病院では診断がつかず、次の病院でも手がかりは得られませんでした。

深刻な病気かもしれないという恐怖が心を蝕む中、ようやく3つ目の病院で明らかになったのは、「乾癬性関節炎」という病名でした。

しかし、この答えを得るまでにかかった時間は5年。適切な治療が始まるまでの苦しい日々と、診断がつくまでの道のりには、さまざまな葛藤と困難がありました。

本記事では、この1年間にわたる診断までの経緯や、その間に抱いた心の葛藤について詳しくお伝えします。

同じように病気と向き合う方々の希望となることを願いながら、私の体験を共有したいと思います。

診断に至るまでの経緯

2000年ごろから右膝が腫れて歩行に違和感を感じてました。

特に痛いわけではなかったので、そのままほっといていました。

そして、2005年くらいですかね、膝全体が腫れぼったくなり、重苦しい感じがしたり、曲げ伸ばしが困難な状態になったので、整形外科を受診しました。

2005年1月 整形外科診察

MRI検査によって、腫れている原因は「水」、そして診察で100cc抜いてもらいました。

水の説明は受けましたが、水が溜まる原因は、わからないという診察でした。

水の正体

膝に溜まる「」の正体は、関節内で生成される「関節液」です。通常、関節液は関節をスムーズに動かし、軟骨に栄養を供給する役割を果たし、滑膜から分泌・吸収されて一定量(1〜3ml)に保たれています。

しかし、滑膜が炎症を起こすと分泌量が増加し、吸収が追いつかなくなることで過剰な関節液が溜まり、膝が腫れて痛みや重苦しさを引き起こします

ただ、炎症の起こる原因は特定できないので、膠原病の専門医を紹介されました。

2005年2月 膠原病の専門医の診察

整形外科に紹介された、膠原病の専門医の診察を受けました。

血液検査でリウマチ因子(RF)は陰性(マイナス)だったため、関節リウマチではないと判明

しかし、病名は特定されず、広島県随一の膠原病・リウマチ専門の病院(リウマチセンター)を紹介されました。

2005年3月 膠原病・リウマチ専門の病院の診察

初めての診察時にも、右膝の100ccの水が溜まっていたので、この病院でも水を抜いてもらいました。

水が溜まる原因を探すため、病名をはっきりさせるため精密検査を実施しました。

精密検査の詳細

血液検査でリウマトイド因子(RF)抗CCP抗体を測定し、これらが陰性である場合、乾癬性関節炎の可能性が高まるそうです。また、炎症の程度を示すCRP赤血球沈降速度(ESR)も確認します。さらに、X線やMRIで関節の損傷や炎症の有無、乾癬性関節炎特有の骨変化を評価します。加えて、皮膚科で乾癬の症状があるかどうかも確認されました。

病名は、乾癬性関節炎

精密検査の結果、主治医から病名「乾癬性関節炎」と知らされました。

乾癬性関節炎とは

乾癬性関節炎は、皮膚と関節に症状が現れる自己免疫疾患です。

免疫系が誤って自分自身の細胞を攻撃することで、皮膚に赤い発疹や銀白色の鱗屑(乾癬)が現れ、関節に痛みや腫れが起こります

特に手足の指や腰、背中に症状が出やすいのが特徴です。

30~50歳代で発症することが多く、皮膚症状が先に現れる場合が多いみたいです。

この病気は感染症ではないため他人にうつりませんが、適切な治療が必要です。

近年では生物学的製剤など新しい治療法が効果を上げています。

乾癬とは

乾癬(かんせん)は皮膚の赤みや鱗屑(りんせつ)が特徴の慢性疾患で、自己免疫疾患の一種です。免疫の異常により皮膚細胞が過剰に増殖し、炎症が起こります。

遺伝や環境要因、ストレスが関与し、関節炎を伴う場合もあります。

治療は外用薬、光線療法、内服薬などがあります

病名を聞いた素直な気持ち

乾癬、言われてもみれば高校のころから頭皮に赤い発疹がでていた気がしましたが、乾癬性関節炎をいう診断を受け、自分は、乾癬だったと始めて知りました。

今まで乾癬の治療はまったくしていませんでしたが、2022年くらいから、乾癬の状態が悪くなったので、乾癬の治療を始めました。

乾癬と乾癬性関節炎の関係

乾癬性関節炎は乾癬患者の10~30%に発症する関節炎で、多くの場合皮膚症状が先行します

自己免疫疾患の一種で、免疫システムが誤って皮膚や関節を攻撃し、炎症を引き起こします。

乾癬性関節炎と関節リウマチの違い

乾癬性関節炎と関節リウマチの違いは、リウマチ因子が陽性か陰性かの判断のほか、「皮膚症状」「関節の分布」「爪の変化」で判断します

皮膚症状

乾癬性関節炎は皮膚に鱗状の発疹(乾癬)を伴いますが、関節リウマチには皮膚症状がありません。

関節の分布

乾癬性関節炎は関節炎が左右非対称に現れることが多く、関節リウマチは左右対称に現れることが一般的です。

爪の変化

乾癬性関節炎では爪に点状陥凹や変色が見られることがあり、関節リウマチでは爪の変化はほとんど見られません。

乾癬関節炎の所見例(見出し2)

以下は、乾癬性関節炎の私の両手になります。写真から以下が診てとれます。

  • 関節炎が左右非対称
  • 右手小指の爪が点状陥凹になっている
  • 発症当時、左手薬指は、乾癬性関節炎の特徴でもある「ソーセージ指」になっていて、結婚指輪がきつくなり、指輪を切りました

まとめ

この記事では、膝に水が溜まる症状から始まり、乾癬性関節炎と診断されるまでの長い道のりを紹介しました。

診断に至るまでの過程では、多くの検査と専門医の診察が必要でした。

また、乾癬性関節炎が自己免疫疾患であることや、関節リウマチとの違いを説明し、手の画像を用いて具体的な症状を示しました

この経験を通じて、早期診断と適切な治療の重要性を痛感しました。

次回の記事では、乾癬性関節炎の治療方法や治療後の生活について詳しくお伝えします。同じ病気に悩む方々の参考になれば幸いです。

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