30歳で発症した左大腿骨頭壊死の治療中、思いもよらず輸血によって「非A非B型肝炎」と診断されました。
その後の研究で、これが実はC型肝炎であることがわかりました。
時を経て47歳、インターフェロン治療を始めた私は、治療の副作用に苦しみました。
注射を受けた夜は、38度を超える高熱が毎晩のように襲い、体力と精神を消耗させる日々でした。
主治医に相談しても「最初は、熱が出るけど、後は、熱が出ないのが一般的」と軽く流され、不安が増すばかりでした。
それでも、治療を続けた結果、幸運にもC型肝炎(HCV)ウイルスを消すことに成功しました。
本記事では、当時の治療の過酷さと現在の治療法の進歩を比較し、C型肝炎に関する経験と知識を共有しています。
過去の苦難から未来の希望へ、この物語が、同じ苦しみを抱える方々の力になることを願っています。
非A非B型肝炎を発症
手術翌日の血液検査で、A型肝炎でもB型肝炎でもない「非A非B型肝炎」に罹患していることが分かりました。
後にこの非A非B型肝炎がC型肝炎であると判明しました。
非A非B型肝炎がC型肝炎と認識された経緯
1989年にC型肝炎ウイルス(HCV)が発見され、1990年初頭にかけて、研究によって、非A非B型肝炎の多くがC型肝炎であることが明らかになりました。
C型肝炎の診断
1992年、会社の健康診断でHCV検査を受け、C型肝炎であることが判明しました。
血液検査のAST(GOT)とALT(GPT)の値が基準値を超えて、値は、100くらいでしたが、治療は行われませんでした。
C型肝炎の治療を勧められる
手術から15年ほど経った頃、かかりつけ医から「C型肝炎が進行すると肝硬変・肝がんになる可能性が高いため、インターフェロン治療を受けたほうがいい」と勧められました。
2002年頃のC型肝炎治療は、主にインターフェロン療法が用いられていました。
インターフェロン治療
2002年、47歳の時にインターフェロン治療を受けました。
インターフェロン治療とは
この治療は、インターフェロンという薬を注射し、体内の免疫を活性化させてウイルスを抑制・排除するものです。
通常、週に3回注射を行い、治療期間は約6か月(24週間)です。。
治療にはリバビリンという飲み薬を併用する場合もありましたが、治療効果には個人差があり、持続的ウイルス学的応答(SVR)の達成率は30~50%程度になります。
副作用として発熱や倦怠感、貧血などが頻繁に起こり、患者にとって身体的・精神的に負担の大きい治療です。
私の受けたインターフェロン治療とは
私のウイルスの遺伝子型は、ジェノタイプ2か3と言われいて、治療が比較的容易な型でした。
それでも、持続的ウイルス学的応答(SVR)の達成率は50~80%程度と言われました。
持続的ウイルス学的応答(SVR)の達成率が50~80%程度というのは、治療を受けた患者のうち50~80%の人が、治療終了後も体内からC型肝炎ウイルス(HCV)が検出されなくなり、治癒と見なされる状態に達することを意味します。一方で、20~50%の患者では、治療後もウイルスが検出される可能性があるということになります。
治療期間
私のウイルス量やHCVのタイプに応じて、治療期間は24週間(約6か月)と決まりました。
単時間作用型インターフェロン治療とは
注射は、筋肉注射で、回数は週3回(月曜日、木曜日、土曜日)、治療期間は24週間でした。
計72回の注射になります。
1回の注射費用は約10,000円〜20,000円で、自己負担は3割でした。
治療の副作用
インターフェロン療法は副作用が多く、私の場合もインフルエンザ様症状が出て大変でした。
インフルエンザ様症状(発熱)
注射は会社帰りに打ちましたが、毎回、注射後3時間ほどで38度を超える発熱がありました。
そして、毎回座薬で熱を下げ、翌朝には平熱に戻っていたので、出社していました。
この打つたびの発熱は治療終了の6か月後まで続きました。
医師に相談しましたが、「最初だけ熱が出ることはあるが、すぐに落ち着くはずで、ありない」と言われるばかりでした。
私のインターフェロン治療の結果
私の場合、1か月ほどで「HCVウイルスは消えた」と言われました。
ただ、念のため、残り5か月のインターフェロン注射を打ち続けました。
その結果で、治療期間中に8kg痩せてしまいました。
同僚が、「〇〇さんは、癌になったのではない」という噂話をしているのを聞いたことがあります。
最近のC型肝炎の治療方法
C型肝炎の治療は近年、2014年ころから大きく進歩し、患者さんへの負担が大幅に軽減される「直接作用型抗ウイルス薬(DAA)による治療」が一般的になりました。
直接作用型抗ウイルス薬(DAA)による治療とは
直接作用型抗ウイルス薬(DAA)を用いたインターフェロンを使用しない治療(インターフェロンフリー治療)とは、ウイルスの増殖を直接抑制し、副作用も少なく、短期間で効果が得られる点が特徴です。
特にDAAは、C型肝炎ウイルスの遺伝子型にかかわらず高い治療効果を発揮するため、多くの患者に適した治療法となっています。
治療期間と効果
ウイルスの遺伝子型や患者さんの状態によって異なるみたいですが、概ね治療期間は通常8~12週間で、持続的ウイルス学的応答(SVR)を達成できる割合は、ほとんどの患者で95%以上とされています。
私のインターフェロン治療との違い
私のインターフェロン治療は、2002年で、治療期間が6か月(ほぼ24週)ですからそれが、DAAの治療は、半分以下の8~12週間、私は、熱が出るという副作用に苦しみましたが、副作用は少なく、C型肝炎の患者さんの95%の人がウィルスが消えるなんて、すばらしいことだと思います。
まとめ
C型肝炎治療は、以前のインターフェロン治療の過酷さから一変し、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)による治療が主流となりました。
DAAはウイルスの増殖を直接抑え、8~12週間の短期間で治療が可能であり、副作用も少なく患者の負担を大幅に軽減しています。
本記事では、インターフェロン治療の経験と現在のDAA治療の進歩を比較し、患者の視点からその変化を振り返りました。
特に、38度を超える高熱や医師の理解不足という困難に直面した過去の治療と、今の効率的かつ効果的な治療の違いを詳しく解説しています。
C型肝炎の治療は日々進化しています。最新の治療法や自身に適した治療については、専門医と相談し、最適な選択をすることが重要です。
同じ病を持つ方々の力になれることを願い、この体験を共有します。