この記事では、筆者自身が経験した「原発性胆汁性胆管炎(PBC)」に関する検査のうち、血液検査について詳しく解説しています。
PBCは自覚症状が乏しいため、早期発見が難しい病気ですが、定期的な血液検査が診断において非常に重要な役割を果たします。
この記事では、具体的にどのような検査項目が行われ、結果がどのように解釈されるのかを、筆者の実体験を交えて詳しく説明しています。
特に、PBCの診断に欠かせない抗ミトコンドリア抗体検査や肝機能検査の結果がどのような意味を持つのか、また異常値が見つかった際にどのように対応するべきかについても触れています。
同じ病気に悩む方や、今後検査を受ける可能性がある方にとって、この情報は非常に役立つものです。
この記事を読むことで、血液検査の重要性を理解し、健康管理に対する意識を高め、病気と向き合う準備ができるでしょう。
PBCの診断や治療に向けた第一歩として、ぜひ参考にしてください。
私は、胆汁性胆管炎と診断された経緯
胆汁性胆管炎(PBC)は、肝臓内の小さな胆管が壊れることで胆汁の流れが滞り、肝臓の機能が低下する慢性の肝疾患です。これにより、肝臓の細胞が破壊され、最悪の場合、肝硬変や肝不全を引き起こしてしまいます。
私は、PBCと診断されるまでに3か月の時間がかかりました。私が、この病気と診断される経緯を次の記事で、詳しく書いていますので、興味のある方は、読んでみてください。
血液検査
PBCの診断するための検査には、血液検査と画像診断があります。
この記事では、血液検査について詳しく説明しています。
血液検査の頻度は、
血液検査は、入院中は、毎日、病名が確定してからの通院ごと(3か月または6か月)に行いました。
血液検査種別
PBCの診断やPBCの状況を定期的に確認する検査には、「肝機能」「胆管の状態」「腫瘍マーカー」の3種類を調べます。
肝機能検査
肝機能検査では、「AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)」「ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)」「γ-GTP((ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ))」について調べます。
ASTとALTの意味と調べる理由
ASTとALTは、肝臓の細胞内に多く存在する酵素で、肝細胞が損傷を受けると血液中に放出され、ASTおよびALTの値が上昇します。
したがって、値が基準値を超えていると、損傷の度合が高いということになります。
ASTとALTの値を定期的に測定することで、PBCの進行状況や治療効果を評価し、肝臓の健康状態を把握できます。
γ-GTPの意味と調べる理由
γ-GTPは、肝臓、胆管、腎臓、膵臓などに存在する酵素で、PBCでは肝臓内の小さな胆管が損傷し、胆汁の流れが滞ると値が上昇します。
γ-GTPは胆汁うっ滞(胆汁の流れが減少または停止した状態)を調べます。
γ-GTPの値が高くなるというのは、胆汁うっ滞が起こっていることを意味します。
胆汁うっ滞、体への影響
胆汁うっ滞が起こると、黄疸、かゆみ、倦怠感、脂肪吸収障害が現れ、脂溶性ビタミンの欠乏や骨粗しょう症、肝機能の悪化につながるリスクがあります。
胆管の状態
胆管の状態を診るには「ALP((アルカリホスファターゼ))」と「ビリルビン」で評価します。
ALPの意味と調べる理由
ALPは、肝臓、骨、腎臓、腸などに存在する酵素で、特に胆管の健康状態を診るために調べます。
PBCでは肝臓内の小さな胆管が損傷し、胆汁の流れが滞ることで肝細胞が破壊されるとALPの値が上昇します。
ALPの値は、肝臓の中にある胆管の障害の程度を教えてくれます。
ビリルビンの意味と調べる理由
ビリルビンとは、赤血球の分解産物で、肝臓で処理され胆汁として排泄されます。
PBCでは、胆管が損傷し胆汁の流れが滞ることがあります。
胆汁の流れが滞っているかどうかは、ビリルビンの濃度で調べます。
ビリルビンの濃度の上昇は、肝臓の中で、胆汁の流れが滞っていることを示します。
腫瘍マーカー
PBCを患っていると肝細胞癌(HCC)を発症するリスクが高くなります。
そのため、HCCの早期発見のため、腫瘍マーカーとして「AFP(α-フェトプロテイン)」と「PIVKA-2(異常プロトロンビン)」を使います。
AFPの意味と検査の理由
AFPは、肝細胞癌(HCC)やその他の肝疾患で値が上昇することがあります。
AFPの値が上昇することはHCCの指標の一つであり、早期発見に使われます。
PIVKA-2の意味と検査の理由
PIVKA-2はHCCの特異的な腫瘍マーカーの一つであり、AFPと併せて使用することで診断の精度を高めるために使います。
まとめ
この記事は、原発性胆汁性胆管炎(PBC)の血液検査について、各検査項目の詳細や検査の重要性を解説しています。
PBCの診断や進行の把握に欠かせない血液検査は、肝機能や胆管の健康状態、腫瘍マーカーなど、さまざまな指標を確認することで、病状を正確に把握する手段となります。
これらの検査を通じて、病気の進行を管理し、適切な治療を行うことが目指されます。
次回の記事では、「PBC診断や経過観察のための画像検査」や、「PBCの治療内容とその効果を私の検査結果に基づいて紹介」する予定です。
ぜひ参考にしていただき、病気への理解を深める一助となれば幸いです。